売却・出金
ビットコインで利益が出た。売る?持ち続ける?
ビットコインが値上がりして、画面にはプラスの数字。うれしい反面、「今売って、その後もっと上がったら」「持ち続けて、利益が消えたら」と迷うことがあります。
まず、画面の含み益が、そのまま生活に使えるお金なのかを見てみましょう。 値上がり率だけでなく、いつ、いくら使いたいのか、持ち続ける分にはどんなリスクがあるのかも考えていきます。
この記事は、日本に住む個人が現物のビットコインを保有する場面を扱います。売り時や税額を決めるものではありません。以下の金額・数量は、説明のために作った架空例です。
含み益5万円は、別口座の5万円ではない
1 BTCあたり1,000万円のときに0.01 BTCを10万円で一度だけ買い、その後1 BTCあたり1,500万円になったと仮定します。他の購入・売却・受取や費用はないものとします。現在の円換算評価額は15万円、購入代金との差額は5万円です。
まだ売っていない分の差額を、ここでは含み益と呼びます。5万円だけが別の預金になったわけではありません。持っている0.01 BTC全体が円でいくらになるかは、価格に応じて変わります。金融庁も、暗号資産の価格変動に注意を促しています。[3]
例えば、1 BTCが1,200万円なら評価額12万円・含み益2万円、800万円なら評価額8万円・含み損2万円です。これらも価格予測ではなく、数量と円評価額の関係を示す計算例です。

評価額・売却代金・銀行残高を分ける
| 見る数字 | 意味 | 一緒に確かめること |
|---|---|---|
| 円換算の評価額 | 保有するビットコインを円に換算した目安 | どの価格で評価しているか。実際に売れる価格と同じか |
| 売却代金 | 売却が成立したときに受け取る代金 | 実際の成立価格・数量・売却にかかる費用 |
| 銀行で使える残高 | 日本円の出金が完了し、銀行に入った金額 | 出金の費用・日数・制限。納税等に残す金額 |
サービスによっては、販売所の提示価格に手数料相当額が含まれ、別途、日本円出金の費用もあります。Coincheckの公式料金表は、その一例です。料金や条件は、会社や売買方法ごとに確かめましょう。どこでも同じ金額とは限りません。[4]
売買価格にすでに含まれている費用を、手数料としてもう一度引いてしまわないように注意しましょう。実際の売却見積もりと、費用の表示を一緒に見てみましょう。
銀行に入金されたら全額使ってよい、とは限りません。自由に使える金額を考える前に、納税や近い支払いに必要な分を分けておきましょう。手続きの順番は、売却と出金の違いで詳しく確認できます。
「もっと上がる?」の前に、いつ・何に使う?
同じ15万円相当でも、来月の支払いに使うのか、当面使う予定がないのかで、減ったときの困り方は違います。
まずは、いつ、いくら使う予定かを書いてみましょう。ほかの預金も合わせて、その支払いに足りるでしょうか。必要な日までに値上がりすることを当てにせず、確かめておきたいところです。
これは当サイトが提案する整理方法です。「使う予定がないなら全部保有」「不安なら全部売却」と自動的に決める基準ではありません。大きく減っても予定が崩れないか、保管や管理を続ける負担はどうかも、考えてみましょう。
全部売る・一部売る・持ち続けると、何が変わる?
| 選択 | 変わること | 残る確認事項 |
|---|---|---|
| 全部売る | 売却した分のビットコインの値動きを受けなくなる。その後に値上がりしても利益は得られない | 成立した価格と費用、税金、日本円の出金・保管 |
| 一部売る | 売れた分を円にし、残す数量を減らせる | 残したビットコインの価格は上下する。売った分の費用や税金も確認する必要がある |
| 持ち続ける | その時点では売却せず、保有数量を維持する | 値上がりも値下がりもあり得る。使う予定と管理方法を見直す必要がある |
一部を売ることが、すべての人にとって最適という意味ではありません。売れる最小数量などの条件もあり、少額で細かく売るほど、費用の負担が気になる場合もあります。実際に売る前に、利用先の注文条件を確かめてください。
どの選択も、後悔や損失をゼロにする方法ではありません。あとで高値を見て、あのとき売らなければよかった、と思うこともあるでしょう。ただ、決めたときに何を優先したかを残しておけば、次に見直すときの手がかりになります。
6万円分売ると、利益はいくら?
最初の架空例で、0.01 BTCの4割にあたる0.004 BTCを、6万円で売却したとします。費用は考慮していません。
売った分の購入代金は、10万円 × 4割 = 4万円。売却による利益は、6万円 − 4万円 = 2万円です。 売却代金6万円の全額が利益ではありません。残りの0.006 BTCは、その時点で9万円相当です。

| 架空例の選択 | 売却代金 | 売った分の購入代金 | 費用を除く売却益 | 残るBTCの評価額 |
|---|---|---|---|---|
| 全部売る | 15万円 | 10万円 | 5万円 | 0円 |
| 4割を売る | 6万円 | 4万円 | 2万円 | 9万円 |
| 売らずに持つ | 0円 | 売却なし | 売却益なし | 15万円 |
この表は、同じ仮定価格で売却が成立し、購入は1回だけ、ほかの取引・費用がない場合の比較です。保有を続ける場合の含み益は5万円のままで、「売却益なし」と「値上がりしていない」は別です。税額や将来の受取額を示す表ではありません。
実際に税金を計算するときの原価は、決められた方法で求めます。何度かに分けて買った場合などは、この例のように単純に分ける方法をそのまま使えません。取引記録を手元に、国税庁のFAQと計算書で確かめてください。[2]
「利益分だけ売って元本を残す」なら安全?
「最初に入れた10万円相当を残し、増えた5万円相当だけ売る」と考える場合もあります。しかし、残したものがビットコインなら、その10万円相当も値動きの影響を受けます。
「元本分」という呼び方にしても、元本保証にはなりません。 また、5万円分を売ることと、売却益が5万円になることも同じではありません。売却代金と利益を分ける考え方は、上の例と同じです。
税金は「銀行へ出金したか」だけで判断しない
確認日時点の国税庁の案内では、個人の暗号資産取引による利益は原則として雑所得です。所得区分には例外もあります。[1]
所得の計上時期は原則として売却等の引渡しを基準にするため、銀行に出金していないことだけで、利益の確認を省けません。また、他の暗号資産との交換も所得計算が必要になる場合があります。売却だけに限らず、年間の取引を整理します。[2]
アプリの表示損益に一律の税率を掛けて、納税額が確定したと考えないようにしましょう。税額はほかの所得や控除、取引内容などでも変わります。日本円で残す必要額を判断するため、購入・売却・費用の記録や年間取引報告書を保存し、不明点は税務署や税理士に確認します。
参照したFAQは令和7年12月改訂版です。令和8年4月1日現在の国税庁No.1524も、この資料を案内しています。実際の申告では、その年に適用される制度・最新の公式案内を確認してください。[5]
決める前に、3行だけメモする
- 使う予定:いつ、何のために、いくら必要か。
- 円で残す金額:費用と税金を確認したうえで、どれだけ残したいか。
- 持ち続ける分のリスク:残すビットコインが下がった場合、生活や予定に何が起きるか。
「税額が分からない」「購入履歴が足りない」も、次に確かめることとして書いて構いません。メモの答えだけで、売るか持ち続けるかが決まるわけではありません。損失を防ぐ保証もありませんが、何が分かっていて、何をまだ確かめていないかは見えやすくなります。
例えば「半年後の支払いに8万円必要。預金で5万円ある。残り3万円と費用・税金を含めて円で確保したい。持ち続ける分が値下がりしても、支払いに支障が出ないようにしたい」と書けば、相場予測とは別に確認すべき条件が見えてきます。これは架空のメモで、売却額の推奨ではありません。
出金手続きは売却と出金、費用の見方は手数料の全体像へ。画面の含み益から、実際に使えるお金へと考えてみる。売る金額と利益の違い、持ち続ける分のリスクも確かめながら、判断していきましょう。
確認した公式資料
確認日:2026年9月27日。架空例と3行メモは当サイトの編集によるものです。公式資料は個別の売買判断を推奨する根拠ではありません。
- 国税庁|暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書(令和7年12月)
- 国税庁|暗号資産等に関する税務上の取扱い(FAQ)
- 金融庁|暗号資産の利用者のみなさまへ
- Coincheck|手数料
- 国税庁|No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係
本記事に広告・アフィリエイトリンクはありません。一般的な考え方の解説であり、売買の推奨・価格予測・個別の税務助言ではありません。
